男女トラブルや離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、不倫の慰謝料請求に関する役立つ知識を発信します。
いけない事だと思っていたものの、妻子ある男性と不倫関係になった。
不倫相手の奥さんにばれるリスクがあると思いながらも、ズルズルと関係を続けてしまった。
そのリスクは現実になり、ある日、不倫相手の奥さんから慰謝料請求の手紙が届いた。
この様な事態の想定はしていたものの、実際に慰謝料請求を受けてみると、パニックなり、何をしていいかサッパリ分からない。
強い恐怖感や自己否定等が襲い、もはや自分では収拾がつかない・・・
不倫の慰謝料請求された方の多くが、この様な悩みを持つと思います。
そこで今回は、不倫相手の奥さんから慰謝料請求をされた時の対応法について取り上げます。
無事かつ早期の問題解決を望む方は、ぜひご覧ください。
Contents
実際に不倫相手の奥さんから、電話や手紙などで慰謝料請求をされると、多くの方は気が動転してしまいます。
その気持ちは分かりますが、不倫は犯罪ではないので、警察に逮捕されるなんて事はありません。
あくまで民事上のトラブルです。
ここは一度落ち着いて冷静な対応をすることが大切です。
不倫相手の奥さんとやり取りをするにあたっては、以下の様な流れで進めるようにしましょう。
それでは、これらの詳細をお伝えしていきます。
不倫相手の奥さんから慰謝料を請求されたことでパニック状態になり、言われるがままの慰謝料を支払ってしまう方もいます。
しかし慰謝料を請求されたからといって、必ずしも応じる必要があるわけではありません。
不倫慰謝料を請求する法的権利がなくても、請求自体は可能です。
よって法律上、不倫の慰謝料を支払う義務があるか否かをしっかりと判断しましょう。
不倫相手の奥さんからの慰謝料請求に応じる義務があるのは、以下の5つの全てを満たす場合です。
不倫相手と食事をした、デートで手を繋ぎ、抱き合ってキスをしたというだけでは、法律上、不倫慰謝料の支払い義務がある行為とはなりません。
支払い義務が発生する行為とは、原則、不倫相手と肉体関係があることです。
ですので、実際に不倫相手とデートしたとしても、肉体関係が無ければ慰謝料に応じる必要は原則ありません。
ただし肉体関係が無ければどんな場合でも、支払いを拒否できるわけではありません。
例えば、ラブホテルに二人で入り長時間出てこない、旅行先の旅館で同じ部屋に宿泊した等、肉体関係があったと推測できる場合です。
二人が肉体関係を持っていない事をどれだけ否定しても、裁判所は肉体関係があったものと判断する可能性は高いです。
次に肉体関係があったことに加えて
このことも満たしているかを確認しましょう。
また最初は既婚者だと知らなかったとしても、途中で知ったにも関わらず肉体関係を持った場合も慰謝料支払い義務があります。
二人が会う時はいつも平日の夜で終電前までだったとすれば、容易に「既婚者では?」という疑問が浮かぶはずです。
なぜなら、妻や子供がいるから、泊まることが無理だったり、休日には会えないのだろう、という発想になるからです。
よって、実際に不倫相手が既婚者だと知ってなくても、この様な場合は落ち度があるとして、慰謝料を支払いは免れません。
逆に既婚者だと知らない事に落ち度が無い場合とは、
いつも相手が住むマンションで会っていたが、全く女性の気配がしないし、ベットもシングルサイズが1つだけ。
LINE等でも妻や子供の存在について、一切明かされていない場合なら、既婚者だと知らないことに落ち度が無いので、支払いを拒否できます。
不倫相手と肉体関係を持った時点で、不倫相手の夫婦の婚姻関係が破綻していなかったなら、慰謝料の支払いを拒否できません。
もし不倫相手の夫婦が長年別居していて、夫婦生活の実態がなく、実際に離婚についての話し合いもしていたなら、「婚姻関係は破綻している」と言えます。
そして不倫相手から「妻との関係はずっと前から終わっている」等と繰り返し聞かせれ、それを信じていた場合は、支払いを回避できる可能性は高くなります。
婚姻関係破綻の状態とは、この例の様に、誰も目から見ても婚姻関係が破綻し修復の余地が無い、というレベルの状況が必要です。
単に夫婦間が冷めている、家庭内別居程度では、婚姻関係破綻しているとは認められません。
こちらから不倫相手にアプローチした場合もちろん。
不倫相手からアプローチされ肉体関係を持った場合は、合意の上での肉体関係です。
よって慰謝料支払いの義務を免れることは出来ません。
たとえ、不倫相手から猛烈なアプローチがあったとしても、その事情は慰謝料支払いを拒否できる事情にはなりません。
頑なに拒否すればいいのですから、合意があったとみなされます。
不倫相手との肉体関係が
この様な場合は、こちらは責任を負うことはありません。
逆に、これらの行為により、無理やり肉体関係を持たされた相手に対して、刑事告訴等をすることが出来ます。
不倫の慰謝料請求権にも時効があります。
不倫相手の奥さんが、不倫の事実を知ってから3年以内の場合は、慰謝老請求権についての消滅時効は成立していません。
よって、請求されたタイミングが不倫時から長期間経っていたとしても、不倫の事実を知って3年以内なら時効の主張は出来ません。
以上5つが、不倫相手の奥さんからの慰謝料請求に応じる義務がある要件です。
繰り返しますが、5つの条件の内、1つでも該当しない条件があれば、慰謝料の支払いを拒否できます。
「5つの条件の内、1つでも該当しない条件があれば」との部分が少し分かりにくいと思う方もいるかと思います。
そこで端的にお伝えすると、次のような事実があれば、慰謝料を支払う義務は基本的にはありません。
これら5つの内でも
「不倫相手が既婚者だと知らなかった(知らなかったことに過失がない)」
「不倫相手の夫婦の婚姻関係は破綻していた(またそう思っていた)」
この2つに当てはまると思う方も多いでしょう。
しかし現実問題、不倫相手の奥さんに対して
「私はあなたのご主人は独身だと思っていたので、慰謝料は払いません」
「私はあなたのご主人から、妻とはもうすぐで離婚すると聞いていたので、慰謝料を払いません」
この様な抗弁がすんなり通じるほど簡単なものではありません。
立証は原則請求者側にあるとはいえ、
抗弁を裏付ける客観的な事実提示や証明が無い場合は、慰謝料支払いを拒否することは難しいでしょう。
客観的な事実証明とは、たとえば「数年前に離婚したから今は独身だよ」と記載されているメールなどです。
このあたりの判断を個人でするのは難しいので、弁護士などの専門家に相談されることをお勧めします。
基本的には専門家を通して、慰謝料支払い拒否の意思表示をすることが望ましいです。
法律職の肩書を持つ者が、しっかりと法的根拠を示した上で、支払いを拒否するのですから、自身で回答するよりスムーズに問題解決できるからです。
とはいえ、費用の面で難しい方もいるかもしれませんので、自身で回答する際のポイントをお伝えします。
不倫相手の奥さんへの回答は、やり取りの証拠をしっかり残す為に「書面」ですることです。
たとえば、回答の一部的な内容としては
「私はあなたとのご主人と肉体関係を持ったことは一切ありませんので、あなたのご要望にはお答えすることは出来ません」
この様に拒否する理由をしっかりと明記するようにしましょう。
注意点としては、肉体関係を認める様な内容を書かないことです。
たとえば「確かに私は〇〇さんと一度肉体関係がありましたが」等の不貞行為を認める内容を書かないようにしましょう。
もし不倫相手の奥さんが何も不倫の証拠を持っていなかったとすれば、この書面が不倫の証拠となるからです。
なお不倫の証拠の詳細は「その不倫の証拠は不貞行為を認めさすことができますか?」をご覧ください。
ここからは、慰謝料の支払いを免れないという方の対処法についてお伝えします。
トラブルの早期解決、及び、支払う慰謝料額を減らす為には、冷静にやり取りをする必要があります。
不倫相手の奥さんはあなたに対して、強い怒りの感情を持っています。
その感情を鎮めるためには、あなたの謝罪と反省を伝えることは絶対です。
謝罪などをせずに、いきなり減額を求めても、火に油を注ぐようなものですので、さらに怒りを買い問題解決は遠のきます。
ですので、まずはしっかりと謝罪と反省を書面等で伝えるようにしましょう。
不倫の慰謝料を請求する方の多くは、相場よりも高額な金額を求めてきます。
確かに、不倫相手の奥さんを深く傷つけたことは事実なので、誠意をもって対応するべきです。
しかし、言われるがままの金額を支払うとなると、負担はかなり大きくなる為、少しでも負担が減るように減額交渉をしましょう。
その為には不倫の慰謝料の相場について押さえておくべきです。
相場とは、過去の離婚等の慰謝料請求訴訟の判例などをベースとし、算出された金額です。
では、かなり大まかに相場がどれくらいになるかといえば、
不倫が原因で離婚に至るケースで「200万円」ぐらいです。
※不倫慰謝料の相場に関する詳細は「不倫慰謝料の相場と慰謝料額が増額となる事情をお教えします」をご覧ください。
慰謝料の減額交渉をする場合も、書面でのやりとりが基本となります。
減額を主張する内容としては、先ほどお伝えした不倫の慰謝料の相場と比べて、請求されている金額が高額であれば、その旨を主張しましょう。
繰り返しますが、不倫相手の奥さんに対して、謝罪も反省もせずに、いきなり「あなたが求められている慰謝料の金額は相場と比べて高すぎるので減額してください」
この様な回答はくれぐれもしてはいけません。
本来なら減額できるものも出来なくなりますし、示談での解決が出来なくなる恐れがあります。
それでは慰謝料の相場以外に、どの様な減額主張の例があるかについてお伝えします。
これら事情があるのなら、その事実を伝え減額を求めるようにしましょう。
そして書面で減額交渉などのやりとりを続け、慰謝料額などに合意が出来たなら、必ず示談書を作成しましょう。
示談書とは、慰謝料額や支払い方法等の合意内容をまとめた書面です。
通常、示談書の作成後に慰謝料を支払う流れとなります。
示談書を作成する目的は、事後のトラブルを防止する為です。
やっとの思いで話しがまとまって解決したと思っていたのに、示談書を作成しなかったばかりに、後で「約束と違う」等と言われることがあります。
終わったと思っていた問題が蒸し返されるのは、苦痛以外の何でもありません。
きっちりと問題を終結をさせる為には、示談書の作成して問題解決の証としての証拠を残すことは絶対です。
示談書は一般的に2通作成します。
双方ともに記載内容を確認しあい、署名捺印します。
それを不倫相手の奥さんとあなたが一通ずつ受取ります。
不完全な示談書を作成してしまえば、それが原因で新たなトラブルを招く恐れがあるので、専門家などに依頼して、確実な内容の書面を作成することをお勧めします。
※示談書についての詳細は「どうして不倫の示談書を作成することが必須なのかをお教えします」をご覧ください。
今回は、不倫相手の奥さんから慰謝料請求をされた時の対応法について取り上げました。
慰謝料請求された際は、焦らずに不倫の慰謝料を支払う義務があるか否かをまずは確認しましょう。
決して慌ててお金を振り込んではいけません。
もし慰謝料を支払う責任があるのあれば、まずは謝罪と反省をしっかりとした上で、減額交渉するようにしましょう。
そして合意に至ったであれば必ず示談書を作成しましょう。
今回お伝えした内容を参考にして頂き、自身で解決することも可能ですが、やはり泥沼化する傾向があります。
精神的負担を軽くするには、やはり早期解決が一番ですので、不倫問題に詳しい専門家のサポートを受けることをお勧めします。
不倫の慰謝料を請求された際、対応を間違って最悪な結果にならない為に絶対に知っておくべきことを取り上げています。
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