ホーム » 不倫その他 » 不倫が違法か否か?違法ならどの様な責任追及が可能?を徹底解説
夫が会社の部下と不倫関係にあることが発覚し、それ以降私は悲しさや怒り、やるせなさ等で本当に辛い日々を送っている。
夫は謝罪こそあるものの「彼女とはつい出来心で、遊び感覚で不倫関係になってしまった、でも本気じゃないから気にしないで」
この様な感じで自分が不倫したことを軽く流さそうとしている。
でも不倫された側の私は納得いかないし、よく分からないが不倫は違法であり、法的に責任を取ってもらう事が可能では?
不倫された側とすれば、この様な疑問を持たれるかと思います。
そこで今回は「不倫は違法か」をテーマにして取り上げます。
結論からお伝えすると「不倫は違法」となります。
このことの詳細は後で取り上げると致しまして、不倫には違法になるものと違法でないものに分かれます。
というのは、不倫の定義は人によりバラバラだからです。
たとえば、異性と二人きりで食事をすれば不倫だとか、キスをすれば不倫だとか、二人きりになれる空間にいれば不倫etc。
この様に人によって基準が違うのです。
それでは違法となる不倫とは、どの様な行為であるかというと、
「配偶者ある者が配偶者以外の異性と自由な意思に基づいて性的関係を持つこと」
この様に裁判所は定義しており、この行為を正式な法律用語では「不貞行為」と言います。
一番のポイントは「性的な関係を持つこと」であり、言葉から分かると思いますが、性交があるかどうかです。
つまり二人に性交が無い、ハグやキスをする段階ならば、その不倫は違法にはならず、法的責任を取らすことは基本的に出来ません。
補足ですが「配偶者以外の異性」が対象になっているので、同性愛の場合は不貞行為にはなりません。
また「自由な意思に基づいて」とは、自分から、または誘われて、不貞関係になった場合ですので、相手から脅迫されて性交を持った場合は不貞行為にはなりません。
先ほど、配偶者ある者が配偶者以外の異性と自由な意思に基づいて性的関係を持てば、違法になるとお伝えしました。
それでは違法となれば、犯罪者となり、刑事罰を受けることになるのでしょうか?
結論からお伝えすると犯罪者にはならず、逮捕されるようなことはありません。
犯罪は刑法や特別刑法にて、刑事罰が決められて禁止されている行為です。
この刑法に反する行為を取ると犯罪となり、逮捕、勾留、裁判手続きを受け、罪が重い場合は服役しなけれならないこともあります。
不倫つまり不貞行為については、刑法及び特別刑法には何ら規定はない為、配偶者が不倫をしても犯罪者とはなりません。
よって不倫をされた側の配偶者が、被害届を出したり、刑事告訴することは出来ません。
先ほど不倫は違法だとお伝えしましたが、刑法や特別刑法に反する行為ではないとすると、何の法律に反するのかについてです。
それは「民法」です。
民法とは私法の基本法であり、私法とは私人相互間の権利義務関係を規律する法のことです。
具体的には、不倫は民法上の不法行為となり、損害賠償責任の対象となるのです。(民法709条、710条)
不法行為とは、ある者が他人の権利や利益を違法に侵害する行為をいいます。
違法も不法も基本的には「法に反する」という同じ概念なので、不倫は民法上の違法な行為として捉えることが出来ます。
不倫は道徳的な問題は除いて、法律的には無関係である第三者から非難されたり、責任を問われることはありません。
不倫(不貞行為)が違法という根拠は何か?についてです。
一番の根拠としては「平穏に結婚生活を継続する権利の侵害」であり、これは法的保護に値するものです。
具体的には、夫(妻)が不倫をして、それが原因で夫婦関係が破壊した。
その場合は、夫(妻)の不倫によって、妻(夫)が平穏に結婚生活を継続する権利が侵害されたので、不倫は不法行為となるのです。
他にも「夫婦間に課される貞操義務違反」や「夫権・妻権の侵害」なども不法行為(違法)となる根拠とされています。
最後に不倫(不貞行為)をした配偶者に対して、どの様な法的責任を追及できるかについてお伝えします。
前述した通り、不倫は犯罪ではないので、刑事罰を与えることは出来ません。
しかし違法である限り、不倫した側はそれ相応の責任を取らされることがあります。
場合によっては、「軽い遊びだったのに、こんな事態になるなんて・・・」と人生が大きく狂ってしまう場合もあります。
民法には家族法という文類があり、家族法には結婚や離婚に関する決まりが定められています。
民法770条1項は離婚原因が掲げられており、その1号には「配偶者に不貞な行為があったとき」と書かれています。
離婚原因とは、裁判所の判断により、一方が離婚を拒否していても、それでも強制的に離婚を成立させる為の強い必要性(原因)のことです。
つまり、夫または妻が不倫(不貞行為)をしていれば、夫(妻)がどれだけ離婚を拒否しいても、裁判所の力で強制的に離婚する事が可能なのです。
なぜ不倫は離婚原因になるのかといえば、
この国では一夫一妻制を採用しているので「配偶者以外の者とは性的関係を持ってはいけない」という「貞操義務」があるからです。
不倫は貞操義務に反する行為です。
ですので、不倫をされた側は一方的に離婚を請求することが可能なのです。
ただし不倫したのは一度のみで、不倫をした夫または妻がその行為を心から猛省しているのなら、裁判所は夫婦間が修復できると判断し、離婚判決は出さない可能性が高いです。
不倫をされた側の妻(夫)は、不倫をした夫(妻)に対して慰謝料を請求することが可能です。(民法709条、710条)
慰謝料とは「相手に不倫されたことによって、精神的苦痛を受けた妻(夫)が、その苦痛を慰謝するために受け取るお金」のことです。
慰謝料というお金を払わすことによって、その心の痛みを少しでも軽減しようという制度です。
ただし夫婦関係が破綻した後で、相手の不倫行為があったとしても慰謝料は請求できません。
夫婦関係が破綻しているなら、配偶者に不倫をされても苦痛には感じないとされる為です。
なお夫婦関係が破綻している状態とは、単に夫婦関係が悪い、家庭内別居である、といった程度では到底認められません。
客観的に婚姻生活が破綻していて、夫婦間が修復できる可能性もなくなった状態になって、はじめて破綻状態といえます。
裁判所が不倫の慰謝料の額を判断する場合は、主に次の様なことを考慮します。
これら以外の要素なども加味されますので、不倫慰謝料の相場額について、一概にお伝えするのは難しいですが、大雑把な額とすれば、夫婦が離婚に至る場合は「200万円」が相場です。
当然のことですが、不倫は一人だけでは出来ず、その相手が必ずいます。
その不倫相手にも慰謝料を請求できる場合があります。
不倫相手に請求できる要件は、先ほどお伝えした「夫婦関係破綻後の不貞行為」ではないことにプラスして
「不倫相手が性交を持った相手が既婚者だと知っていた」ことです。
また相手を既婚者だと知らない場合でも、過失(落ち度)があるなら、慰謝料を請求することが出来ます。
※不倫相手に対する慰謝料請求の方法についての詳細は「このようにして不倫相手には慰謝料を請求します」をご覧ください。
今回は「不倫は違法か?」をテーマにして取り上げました。
性交までの関係に至った場合の不倫は、民法上の違法行為(不要行為)となります。
ただし刑法犯ではないので、刑罰を与えることはできませんが、離婚や慰謝料を求めることが出来ます。
また場合によっては、不倫相手にも慰謝料を請求する事が可能です。
夫や妻の不倫相手に対しての慰謝料請求を失敗して、散々たる思いや更なる精神的苦痛を負わない為に、必ず押さえておきたい最重要ポイントを取り上げています。
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