男女トラブルや離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、不倫の慰謝料請求に関する役立つ知識を発信します。
こんにちは、まいみらいです。
配偶者の不倫が発覚して、不倫相手に慰謝料を請求しようと考えていたところ、
実は、その不倫相手も既婚者であった。
このようなケースにおいても、不倫相手に慰謝料を請求したいと考える方もいるかと思います。
しかし、不倫当事者の両者ともが既婚者であるダブル不倫は、通常の不倫の場合の慰謝料と比べて大きく異なる点があり、非常に難解なことが多いのです。
そこで今回は、ダブル不倫の慰謝料請求ついて主に取り上げたいと思います。
ダブル不倫の問題を抱えておられる方は、対応を間違えて状況を悪化させない為に押さえるべき内容です。。
Contents
ダブル不倫(W不倫)とは、一般に、既婚者同士が不貞関係になることをいいます。
不貞関係の当事者である男女には、それぞれ妻や夫がいるいるということです。
つまり、不貞関係の当事者双方ともが、自分の妻や夫に秘密で交際をしているという関係です。
未婚者と既婚者との不倫と比べた場合大きな違いがあります。
それは「被害者が2人いる」ということ。
未婚者と既婚者の不倫の場合は、既婚者の配偶者のみが被害者なので、被害者は一人ということです。
一方ダブル不倫の場合、不倫関係となった当事者には、それぞれ配偶者がいますので、被害者は二人いるということになります。
不倫をされた配偶者は、不倫配偶者のみならず不倫相手にも、原則、不倫の慰謝料が請求できます。
ダブル不倫の場合、被害者が二人なるということは、不倫の慰謝料請求者も二人ということです。
ここでは、状況説明を分かりやすくする為に、次のような事例でお伝えします。(後の記事もこの事例で説明します。)
上記の図のように、
A男とD子が不倫関係ですから、A男の妻であるB子は、夫のA男とその不倫相手D子に対して慰謝料を請求する権利があります。
また、D子の夫であるC男も、A男とD子に対して慰謝料を請求する権利があります。
ですので、場合によっては、不倫当事者の双方ともが、慰謝料の請求をされる可能性があるということです。
ダブル不倫のケースで、不倫の慰謝料請求を考えられている方が持つ、一般的な選択肢は次の通りです。
・配偶者と離婚し、不倫をした2人に慰謝料請求
・離婚をせず、不倫相手にのみ慰謝料請求
・離婚をせず、不倫をした2人に慰謝料請求
それでは個別に詳細を見ていきましょう。
不倫をした配偶者と離婚する場合は、そのまま不倫配偶者とその不倫相手の両方へ、慰謝料の請求をするだけです。
ですので、難しい問題はありません。
その理由を先程の事例で説明しますね。
B子が離婚原因を作ったA夫に慰謝料を請求は当然出来ますし、D子にも請求可能です。
D子にも慰謝料の請求した際には、そのことでD子の夫であるC男がA男に請求する可能性は高いです。
しかし、B子とすればA男と離婚する以上、A男がC男に慰謝料を請求されようが、別に構いません。
配偶者の不倫が発覚したが
このような理由で離婚をせず、夫婦関係の修復を進めて、不倫相手にのみ慰謝料を請求するケースがあります。
だだし、ダブル不倫の場合には不倫相手の配偶者も、慰謝料請求者の配偶者に慰謝料請求が可能ですので注意が必要。
事例で言うと、B子がD子に慰謝料の請求した際、そのことでD子の夫であるC男がA男に請求する可能性は高いです。
夫婦が離婚しない以上、C男から慰謝料請求のお金は、基本的に夫婦の家庭のお金(A男B子夫婦の財産)で支払うことになってしまいます。
このケースのリスクなどついては、後ほど更に詳しく取り上げます。
離婚をせずに、不倫した配偶者とその不倫相手の両者に対して慰謝料請求をするケースも考えられます。
しかし、夫婦別財産制をとっている夫婦を除くと、不倫した2人ともに慰謝料を請求する方は、かなり稀でしょう。
その理由を、先ほどの事例で説明すると、
A男とB子が婚姻関係を続ける以上、B子からA男に慰謝料を請求しても、夫婦の財産が増減するわけではありません。
ですので、B子としてはA男の不倫相手であるD子に対してのみ慰謝料を請求したいと考えるのが通常です。
ここでは離婚をせずに、不倫相手に慰謝料請求する場合の注意点などを深掘りしてお伝えします。
おさらいですが、ダブル不倫の場合には、不倫相手の配偶者も、慰謝料請求者の配偶者に慰謝料請求が可能でした。
このことを前提に、まずは最も避けたいケースを見てみましょう。
自分たち夫婦は離婚をせずに、先に不倫相手に慰謝料を請求したとします。
ところが不倫相手の配偶者も、応戦のごとく、こちらの配偶者に慰謝料の請求をしてきた。
事例で言えば、
B子が夫A男の不倫相手であるD子に慰謝料を請求したところ、D子の夫であるC男がA男に慰謝料請求してきたということです。
ここで問題となるのが、C男D子夫婦は離婚することになった場合です。
不倫の慰謝料額は、基本的には、不倫により夫婦関係が破たんして離婚となった場合の方が、離婚しない場合と比べて高額です。
ですので、A男と離婚しないC子が、先に不倫相手であるD子に慰謝料請求した後に、D子C男夫婦が離婚となった。
そうなると、D子の夫であるC男から、A男あてに、B子の請求金額よりも高額な慰謝料請求が来る可能性が大なのです。
慰謝料請求されるのは、慰謝料請求をしたB子の方はなく、A男の方です。
しかし、A男がC男に支払う慰謝料は、実質的には家庭のお金(A男B子夫婦の財産)からですので、D子からの慰謝料をもらっても、当然マイナスです。
これでは、一体何の為に慰謝料を請求したのか分かりません。
そして、このような事態となったことで、夫婦関係がより悪くなり、結局、夫婦関係の修復を諦め、離婚となることもあるのです。
こうなる可能性を完全に否定することができない以上、慰謝料請求先の夫婦が離婚することが分かっている場合はもちろん。
離婚するか否か分からない場合は、しばらく様子を見るということが必要となってきます。
つまり、離婚するか否かの見極めが重要ということです。
請求先の夫婦側が、離婚しないことが分かっていても、次のような事情がない場合は、慰謝料を請求しない方が無難です。
☑不倫相手の夫婦が不倫開始時点で夫婦関係が破綻してた
☑請求される側の配偶者の方が不倫に積極的だった
☑請求者側の夫婦の方が不倫相手側の夫婦より、婚姻期間がかなり長い
これらの事情がなければ、慰謝料を請求しても、こちらが請求した金額と同額を請求してくる可能性が高いです。
それどころが、
不倫相手は不倫関係を解消したかったが、請求側の配偶者がそれを拒絶していたなど、請求者側の配偶者の方が不倫相手より圧倒的に過失が大きい、つまり不倫に積極的だった場合。
または、請求者側の夫婦より、不倫相手側の夫婦の方が、婚姻期間がかなり長かった。
この様に、請求される側の夫婦の方が有利な事情がある場合は、こちらの方がより多くの慰謝料を支払うことになってしまいます。
これまで、ダブル不倫の場合において、夫婦が離婚せずに不倫相手に慰謝料を請求するリスクなどを詳しくお伝えしました。
そのリスクを要約すると、
不倫相手に慰謝料を請求した際、不倫相手の配偶者から請求者の配偶者に慰謝料を請求される可能性が高いことです。
このリスクを可能な限り、減らす方法があります。
その方法を使う大前提として、慰謝料請求先である不倫相手の配偶者に不倫の事実を知られていないことです。
不倫の事実を知られるからこそ、こちらにも請求されてしまうので、不倫の事実を知られなければいいのです。
事例で言えば、B子とC男の二人が被害者なのですので、C男に不倫の事実が知られないように、B子からD子に対して慰謝料を請求すればいいのです。
通常、不倫の慰謝料を請求する際は、内容証明郵便で書面を送付します。
しかし、重圧感がある特殊な郵便物である内容証明郵便が、一般家庭に届くことは基本的にありません。
ですので、自宅に配達されてきた内容証明郵便を受け取るのが、不倫相手の配偶者だったなら、すぐに開封する可能性が高いです。
開封されてしまったら、当然に不倫の事実は知られるので、内容証明郵便を送ることはリスクは高いといえます。
他には職場に送付することも考えられますが、特殊な内容証明郵便などが届けば、会社によっては上司立ち合いの元で開封されられることもあります。
そうなれば、不倫の事実が会社の人間に知られ、そこから配偶者に知られてしまう恐れがあります。
また、多くの会社では就業規則で不倫を禁じていますので、それに反することになるので、不倫相手が退職させられることも可能性もゼロではありません。
請求側とすれば、できるだけ穏便に済ませたいので、このように大きなトラブルになることは避けるべきです。
それでは、不倫相手の配偶者に知られないようにする方法についてお伝えします。
それは次の2つの方法のいずれかで書面を郵送することです。
本人限定郵便とは、本人が運転免許証などの身分証を提示することで郵便物を受け取ることができる郵便サービスです
これだと、第三者に見られることがありません。
また、受け取る時間を指定することも可能です。
郵便局留め郵便とは、本人が郵便局の窓口で身分証明書を提示することで、郵便物を受け取ることが出来る郵便サービスです。
郵便局留め郵便を利用する際には、差出人が不倫相手に電話などで郵便物を〇〇郵便局に送付したと連絡することが必要。
本人限定郵便との違いは、郵便が届いた事実自体さえ、配偶者に伝わらないということです。
この2つの方法だと、不倫相手の配偶者に不倫事実を知られる可能性は、不倫相手が告白する場合を除けば、極めて低いでしょう。
確かに本人限定郵便や郵便局留め郵便は、不利相手の配偶者に知られる可能性は低いです。
しかし、請求側が高い慰謝料を請求したり、土下座をして謝れなど無茶な要求をした場合は、知られる可能性は一気に高まります。
なぜなら、ある程度の要求なら、配偶者に不倫の事実を知られたくないので応じるが、自分の許容範囲外の要求をされると、不倫の事実を告白し、配偶者に助けを求めるからです。
ですので、請求する慰謝料額は低いほど安全ですし、土下座をして謝れなどの無茶な要求をしない方がいいのです。
また、自身の配偶者が不倫相手ともう二度と不倫させないことを一番の目的とするのならば、
慰謝料請求は保留する代わりに、二度と不倫をしない等の誓約書を書いてもらうことが一番です。
※不倫の誓約書の詳細については「これが、不倫や浮気をやめさせる方法となります」で取り上げています。
不倫問題は対応を誤ると、高度な紛争化や裁判化などになり易いです。
増してや、ダブル不倫は通常の不倫と比べ、被害者が二人となるので、難易度はさらに上がります。
また不倫問題はどうしても感情的になるので、冷静な判断や行動が出来ず、やってはいけない行動をしてしまいがちです。
その結果、問題解決が複雑化して解決が遅れたり、取り返しのつかないことにもなりかねません。
慰謝料を請求するにせよ、請求されたにせよ、自分だけで対応するのではなく、弁護士などの専門家に相談するのが一番です。
専門家に相談することで、相手方とのやり取りがスムーズに進みますし、問題が悪化する事態を防げます。
今回は、ダブル不倫の場合の慰謝料請求について主に取り上げました。
ダブル不倫の問題を抱えている方の、問題解決の糸口に繋がったのなら幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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